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HubSpotワークフローの整理術:「管理方法」「設計ルール」「探し方」 | 気ままにINBOUND研究所

作成者: 熱海のジョー|2025/06/15 5:33:35

HubSpotを長く使っていると、ワークフローが増えすぎて「なんでデータが変わったのか分からない」「編集すべきワークフローが見つけられない」という状態になりがちです。特に、作成者が退職してしまったり、引き継ぎが曖昧なままだと“ブラックボックス化”に陥りやすいです。

しかしここ1年位のHubSpotのアップデートによりワークフローを整理・検索しやすくする仕組みが増えてきたのをご存知ですか?ということで今回は新しく増えた機能も機能も交えながら「管理」「設計」「探し方」の3つの項目に分けてワークフローと上手につき合うコツをご紹介します。

 

管理方法:整理して把握しやすくする

1)ワークフロー名は目的が一目でわかるように

正直ワークフロー名をしっかりと付けておけば問題は半分になるといっても過言ではないくらい全く目新しくないですが最重要項目です

カスタマーサクセスはよくお客様の利用環境を見ながらお困りごとを一緒に解決することが多いのですが「名前のないワークフロー」が一杯並んでいるとちょっと悲しい気持ちになります😢

ワークフローを探す際に最初に見て判断するのは「ワークフロー名」です。ワークフロー名だけでどんな時に何をするためのものか伝わるように心がけましょう

  • 例1:取引ステージ変更:成約(チームSlack通知、経理タスク作成)
  • 例2:フォーム送信:XXXお問い合わせフォーム(通知メール、タスク作成)

 

2)カスタムプロパティやフォルダを使って分類する

以前はできなかったのですが現在はワークフローにカスタムプロパティを作成することが可能です。これにより無理にワークフロー名に色んな情報を詰め込まなくても整理して入力することが可能です。

ワークフローをスプレッドシートやExcelなど外部ドキュメントで管理するよりも一覧画面で管理するほうが二重管理にならないのでおすすめです。

もし階層をつけて管理したい場合はフォルダを活用してみましょう。とはいえ階層を深くしすぎると見づらくなるのでシンプルな構成のほうがオススメです。

 

3)キャンペーン機能で施策単位でグルーピング

特定の施策で使うメール・LP・ワークフローをHubSpotのキャンペーン機能でひとまとめにしておくと、「このワークフロー、何の施策で使ったんだっけ?」という迷子状態を防げます。

Marketing Hub Professional/Enterpriseを利用していてキャンペーンって何?って思われている方は是非下記のページも見てみてください。

おすすめ記事:マーケティングキャンペーンとは?

キャンペーンを使うことで確認しやすくなるだけでなく、ページ遷移が楽になったり、効果測定もしやすくなるので有効に使えていない方はもったいないです!

 

設計ルール:管理しやすい作り方

ついつい思いついたタイミングでワークフローを作りたくなるものですが、無計画な設計は後の運用で大きな負担になります。 ここでは運用しやすい設計のポイントをご紹介します。

1)同じ条件で動くワークフローは一つにまとめる

トリガー条件が重複する複数のワークフローが存在すると、追うのが難しくなるだけでなく意図しない二重実行やバグの原因にもなるのやめたほうが良いです。

ここでいうトリガー条件の重複とはあるアクションが実行された時に1つのワークフローしか動かないようにするという意味ではありません。下記のように範囲が違うワークフローが必要になる事はあると思います。

  • ワークフローAのトリガー:いずれかのフォーム送信がされたら
  • ワークフローBのトリガー:特定のフォーム送信がされたら

ワークフローAがあるのに、いずれかのフォーム送信がされたらというトリガーで作られるワークフローをもう一個作るのはやめておきましょう

 

2)共通処理はまとめる

同じ処理を各ワークフローに個別で組み込むと、修正する際に全て一個ずつ更新する必要があります。

そんな時は、共通処理を別のワークフローとして作成し、「ワークフローへ」アクションで呼び出す構成にしましょう。

※これだけ今回のトピックと若干趣旨が違いますが重要なので入れさせてください

 

3)作成ルールを共通化

運用ルールを統一することで、構造が読みやすくなります。例えばフォームを作成するときは必ずワークフローをセットで作成すると決めておくと、このフォーム送信時の処理を追加したいという時にスッと探すことができるようになります。

特にフォームが絡むワークフローは複雑になりがちなので今度ここも別記事にまとめたいです。


4)説明欄や分岐名をしっかり記載する

命名ルールと同様に、ワークフローの説明欄や分岐に名前を丁寧に書くことで、後から見た人の理解が格段に上がります。

 

探し方:迷わず見つけられる力をつける

管理や設計をいくら工夫しても、やっぱりパッと思い出せないときもあります。またこれから作るワークフローは注意できますが過去に作成したものをすべてキレイに修正するのも大変です。そういった意味でもワークフローを探しだす力を身につけることも大事です。

1)ワークフローから探すなら「一覧画面の検索フィルター」を活用

昔から使ってる人も見落としがちですが検索フィルターがかなり強化されました。特に下記のフィルターを活用すれば、対象のワークフローが一気に絞り込めます。

  • オンまたはオフ:今影響を及ぼしているワークフローは間違いなくオンです!

  • オブジェクトタイプ:コンタクトや取引など何ベースのワークフローかです

  • アクションタイプ:これ最重要です!

上記フィルターの中でもイチオシはアクションタイプです。お客様の環境を一緒に見るのがこのフィルターのお陰でものすごく楽になりました。

例えばメールが飛んでいるという場合は「Eメールを送信」で絞り込むとそのアクションが含まれるワークフローが表示されます。

恐らく上記3つのフィルターを設定すると表示されるワークフローの数がかなり少なくなります。あとはワークフロー名や過去7日間に登録された件数などを頼りに探していけば見つけられる可能性が高いと思います。

 

2)対象レコードのアクティビティ履歴から逆引き

「このレコードやプロパティはどうして変更されたのか?」といった時はレコードの詳細画面から辿ることが可能です。

  • レコード全体の履歴:

▼アクション>プロパティー履歴を表示をクリック

▼下図のように該当レコードの値が書き換わった履歴となぜ書き換わったかが表示されます

  • プロパティごとの履歴

すべてのプロパティを表示するか、左サイドバーに表示されるプロパティにマウスのカーソルをロールオーバーするとひょうじされる詳細ボタンをクリックします。

表示される詳細タブにはそのプロパティに変更があった履歴だけが表示されます。

※上記いずれもワークフロー名の部分がリンクになっておりクリックでワークフローを開けます

 

まとめ

HubSpotのワークフローが増えすぎて管理に困っている方、実はとても多いです。今回ご紹介した「管理・設計・探し方」の3つの視点で見直してみるだけでも、運用の負担はかなり軽減できるはずです。

  • 名前の工夫やプロパティ活用で整理しやすく  
  • 設計ルールでトラブルを未然に防ぎ  
  • 適切な検索で迷わず見つけられる

他にもいろいろな管理テクニックがあると思いますのでもしみなさんがやってる管理術があったら教えてもらえたら嬉しいです。