HubSpotでは訪問者がどのページを閲覧したのか記録する「Webトラッキング」の機能が備わっています。このトラッキングのカギになるのがcookieの紐づけです。
cookieの紐づけとは、訪問者のブラウザとHubSpot上のコンタクト情報を結びつけて、行動履歴を記録できるようにすることです。cookieが正しく紐づくことで、次のようなことが可能になります。
この記事では、HubSpotでcookieが紐づく条件や注意点、運用時のポイントについてわかりやすく整理していきます。
最もオーソドックスな方法ですがフォームを送信した時に紐づきます。フォームはHubSpotフォームでなくても構いませんが、HubSpotと連携している必要があります。
HubSpotから送信されるマーケティングEメール内のリンクには、送信先のコンタクト情報が埋め込まれています。結果、メール内のリンクをクリックしてトラッキングコードが埋まっているページを開くとcookieが紐づきます。
上記二つと比べると少しマニアックですが、複数ドメインで運用しているときに有効なアプローチです。既にcookieが紐づいているサイト内のリンクから紐づいていない別ドメインのサイトに移動したタイミングで紐づけることができます。詳しい手順は割愛しますので下記のページ等を参考にしてみてください。
参考:HubSpotでサイトトラッキングを設定する(HubSpotナレッジベース)
一度紐づいたcookieも、永久に維持されるわけではありません。代表的な切れるケースは次のとおりです。
こうした理由から、cookieはいつまでも維持されるものではなく、消失していくものと考えておくことが重要です。
運用の中でよく遭遇する問題パターンを紹介します。
同じユーザーでも、異なるブラウザやデバイスを使うと、別人として扱われてしまいます。たとえば、パソコンのブラウザが紐づいている状態であっても外出時にスマートフォンからアクセスした場合はトラッキングがされません。
メールを受信した人が他の人に転送し、転送先の人がメール内リンクをクリックすると、別の人とコンタクト情報が紐づいてしまう場合があります。
ログインを行うシステムの場合、ログインした人は必ず「この人」と特定する事が出来ますが、Webトラッキングは、ログイン型のシステムと違って100%の精度を保証できない点に注意が必要です。
インポートやCRMの画面上でコンタクトを作成した場合、その時点ではcookieは紐づきません。フォーム送信やマーケティングメールのリンククリックなど、cookieが紐づくイベントが無い限り、Webトラッキング対象にはなりませんのでご注意ください。
厳密に確認する方法はありません。HubSpot上で確認する場合は「前回参照時刻」や「前回閲覧ページ」を見る事で、最後に紐づいていたと確認できる日がいつでどのページを見たかは確認が可能です。
それ以降も90日が経過していなければ、今も紐づいている可能性は高いのですが、前の項で説明をしたように、cookieのクリアや環境の再セットアップを行っていると切れてしまいます。ただし、HubSpotではcookieが切れているかどうかを正確に判定することはできません(逆にそれができてしまうと少し怖いですよね)。
cookieは一度紐づいてもすこしずつ切れてしまうものなので、定期的に「貼り直す」運用が必要です。
この問題を解決するために有効なのが、定期的なメールマーケティングです。その問題を解決為に有効なアプローチが定期的にメールマーケティングです。メールマーケティングでは温度感を高めてナーチャリングする事だと思われがちですがそれだけではありません。運用者ビューで見たときのメリットは下記の様なイメージです。
最後のポイントをクリアするためにも、こちらが伝えたい情報だけではなく、受け手が本当に興味があるコンテンツを配信する事も重要です。
そして最後にもう一つお伝えしたい事があります。それは紐づいたcookieは財産だという事です。cookieが紐づいていない人を紐づけるのはとても大変です。今取得出来ているWebトラッキングの情報はこれまでのマーケティング活動の成果です。
HubSpotのWebトラッキングは、cookieの仕組みを正しく理解することで効果的に活用する事ができます。cookieは定期的に「貼り直し運用」する事を前提に運用していきましょう。