「このコンタクトはAチームとBチームには見せたいけど、Cチームには見せたくない」「この人にはマーケの作業権限と営業の作業権限をどっちも与えたい」このようなお悩みをHubSpotで解決する方法をご存知でしょうか。

この記事では少しずつ進化しているHubSpotの新機能を交えて、権限設定でできることをご紹介します！

もし基本的なことは知っている！という方は非公開ベータ(2025/5/22時点)機能「一人に複数の権限セットを割り当てられるようになった！」だけでも見ていただけるとお役に立てるかと思います。

オブジェクトごとの権限設定

すべての権限設定についてご紹介はできかねるので、詳細は以下のナレッジベースをご覧ください。
HubSpotユーザー権限ガイド

よくお問い合わせいただくのが、コンタクトや会社などを一部の人にしか見せたくないという表示の設定です。
HubSpotでは、オブジェクトごとにレコードの「表示」「編集」「削除」の権限を設定できますが、
ここで「自分のコンタクト」「チームのコンタクト」などの表現が出てきます。
これがややわかりにくいのではないかと思うので詳しく紹介いたします。

以下はBennettさんの権限設定の画面です。
Bennettさんは自分のコンタクト（未割り当て含む）について、表示・編集・削除の権限があります。

ここでいう自分のコンタクトとは、コンタクトオブジェクトのコンタクト担当者プロパティの値のことを指しています。
例えば、以下のような担当者の割当だった場合、Bennettさんが閲覧することができるのは、担当している「黒澤さん」「黒木さん」と未割り当ての「黒川さん」の３レコードとなります。

さてここで、Bennettさんの権限を以下のように変えてみました。
さらに篠岡さんをBennettさんと同じチームに設定します。

そうするとBennettさんは同じチームの人の担当しているコンタクトも見れるようになるので、先程のコンタクト（以下画像再掲）はすべてBennettさんでも閲覧できるようになりますね。

Bennettさんと篠岡さんがAチームだったとして、Bチームでも上記のコンタクトを閲覧したい場合はどうしたらいいでしょうか？

そんなときはコンタクト担当者プロパティをカスタムで作ることで解決できます。
フィールドタイプを「HubSpotユーザー」にしていただくと、担当者プロパティと同じ扱いになります。
よって、このプロパティに設定されているユーザーも上記と同様に権限設定できるようになります。

以下のようにBennettさんもLumaさんも共通で担当することができます。

コンタクトは見えてもいいけど、その中でも特にこのプロパティは見られたくない！というケースがありますか？Enterpriseプランの契約があるとプロパティごとに権限設定をすることができるようになります。

権限設定を便利にする権限セットとは

Enterpriseプランがあると、権限セットを作成することができます。
参考：権限セットを作成および編集する

権限セットは一度作成した権限のまとまりを保存しておくことができる機能です。同じ権限を割り当てたい場合は、権限セットを割り当てれば済むので１から権限の設定のし直しをしなくてすみます。

一人に複数の権限セットを割り当てられるようになった！

まだ非公開ベータの機能ではありますが、1人のユーザーに複数の権限セットを割り当てられる機能が登場しました。

これにより役割ごとに権限セットを作成し、複数の役割を人に割り当てることができるようになります。

例：
権限セット1 : フォームの権限あり（リストはなし）
権限セット2 : リストの権限あり（フォームはなし）
Aさんに権限セット1と2を割り当て→Aさんにはリストとフォームの権限が付与される

このベータ機能をオンにするには以下のURLよりご確認ください。
https://app.hubspot.com/product-updates/ここにHubIDを入れてください/in-beta?query=%25E3%2583%25A6%25E3%2583%25BC%25E3%2582%25B6%25E3%2583%25BC&update=13976229

その他備考

既存ユーザーの権限の再インポートはできかねます。インポートは新規作成時のみです。
大規模なユーザー数への対応というシナリオでは、ユーザープロビジョニングAPIを利用して、HubSpotを外部システムやプロセスと同期しているケースが見受けられるとのことです。
このAPIを使用することで、ユーザーに事前に定義された役割やチームをプログラム的に割り当てることができ、それによって人為的なミスを減らすことができます。