HubSpotをある程度使いこなしてくると、「あれもこれもデータ化したい!」という意欲が湧いて来ると思います。その一つにアンケートがあると思います。イベント時のアンケートをフォームを使って回答を集めのはとても便利なんですが、気づいた時には、使い捨てのプロパティで溢れかえり、カスタムプロパティの上限が迫っているというケースが多く、よくご相談をいただく課題です。
結論から言うと、アンケート回答は「カスタムオブジェクト」で管理する運用をオススメしています。
ちなみに今回はアンケートにフォーカスを当てていますが、それ以外の場合でもプロパティをドンドン増えていく問題は同じ方法で解決出来る可能性が高いので参考にしてください。
通常、フォームの回答結果はコンタクトオブジェクトに収める事が多いです。しかし、これには実務上の大きなデメリットが2つあります。
HubSpotの各オブジェクトには、作成できるカスタムプロパティの上限(標準で1,000個)があります。毎回上書きで運用ができれば良いのですが、実務では「過去の回答も履歴として残しておきたい」というニーズのほか、アンケートごとに異なる質問項目も出てきます。
仮に1回のアンケートで20個の設問があり、月1回実施すると、年間で240個。わずか3〜4年で上限に達してしまいます。有料オプションで上限を増やせますが、コストもかかりますし、何より「管理画面がプロパティだらけでカオスになる」という問題が発生します。
これはあまり気づきにくいポイントかも知れませんが、例えば「各イベントごとの平均満足度を並べて比較したい」と思っても、プロパティが別々(「Aイベント満足度」と「Bイベント満足度」)だと、一つのレポートにまとめるのが非常に困難です。
コンタクトに情報を詰め込むのではなく、「アンケート回答」という専用のハコ(カスタムオブジェクト)を作成しましょう。これにより、コンタクトプロパティの消費を劇的に抑えられます。
カスタムオブジェクトを用いるとHubSpot内部では以下のように動きます。
コンタクト/会社オブジェクト: 既存なら上書き、新規なら作成。
カスタムオブジェクト(アンケート回答): 新しいレコードが1件作成される。
アンケート回答を行うとカスタムオブジェクトのレコードは回答ごとにレコードが新しく作成されていくイメージです。コンタクトの情報を汚すことなく、1人の顧客が何度アンケートに答えてもキレイに履歴として蓄積することが可能です。
まずはアンケート時に作成しているプロパティを以下の3つの層に分類して整理してみましょう。
コンタクト/会社プロパティとして管理するもの
コンタクト:氏名、メールアドレス、部署など
アンケートで使い回せるプロパティ(カスタムオブジェクト用)
アンケート用プロパティ:イベント満足度やその他コメントなど
アンケートごとに個別で必要なプロパティ(カスタムオブジェクト用)
「本日のセッション感想」「新製品Aへの興味度」など。
このように整理すると、増えていくのは「3」だけで済みます。 恐らく通常の増加ペースの半分以下には収めることが出来るのではないでしょうか。更に、増えるとしてもカスタムオブジェクト側のプロパティなので、コンタクト側の枠は使用せず、データを汚しません。
HubSpotの設定からカスタムオブジェクトを作成してください。手順は標準的なものなのでここでは割愛します。
参考:オフィシャルナレッジベース「カスタムオブジェクトの作成と編集」
作成したら作成したカスタムオブジェクトはコンタクトと関連付けを有効にしておいてください。操作ミスを防止するため「関連付けの制限を設定」でコンタクトとアンケート回答は1:多の関係にしておくと安心です。
フォーム作成画面では、コンタクトプロパティだけでなく、作成したカスタムオブジェクトのプロパティを配置できます。
また、フォームには非表示フィールドとデフォルト値という項目が用意されています。
カスタムオブジェクト以外だとチケットオブジェクトでも代用可能です。ただし、チケットは本来「問い合わせ管理」に使うもの。アンケートと混ざるとサポートチームのKPIが狂う恐れがあるため、パイプラインを完全に分けるなどの工夫が必要です。
またアンケート結果に応じてワークフローを実行したい場合はService Hub Professionalが必要になるので注意してください。
取引や昨年実装された「オブジェクトライブラリ(アポイントやプロジェクト等)」やは、現時点ではフォームの項目として選択できないため、選択肢としては外れます。
どうしてもという場合は一度コンタクトで受けとってワークフローで取引を作成するという方法は可能ですがコンタクトプロパティが増えてしまうので今回のお題が反れてしまいます。
この手法を使えばコンタクトの枯渇速度は半分以下に抑えられますが、それでも上限が近づいたら、古いデータをエクスポートしてバックアップを取った上で、「別のカスタムオブジェクト(例:アンケート回答_2026年版)」を新しく作成するのが、メンテナンス性を考えると一番楽です。
出来なくはないですが、めんどくさいのでアンケートに関しては出来ないと思って運用してもらうほうが良いと思います。ただその方法でとても便利な使い方もあるのでまた別の記事で紹介しようと思います。
「プロパティが増えすぎて管理できない」という悩みは、HubSpotをしっかり活用できている証拠でもあります。自社のCRMではどんなデータがどれくらい出てくるのかを理解し、適切なデータ構造にしておくことで長期的なCRMの活用も安心です。