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メール配信パフォーマンス【その1】最初に知っておいて欲しい事
メール配信のパフォーマンスが悪い、もしくは悪くなったというご相談はとてもよく頂くご相談です。特に今年はGoogle とYahoo配信要件の変更などもあり、メール配信を行っている会社もアプローチの仕方が大きく変化してきていると感じています。
メール配信のパフォーマンスが悪い時にどのように解決していくかをまとめていきたいと思うのですが、内容が非常に長くなってしまう為、この記事は第一弾として、この内容を深掘りする前に理解していただきたい前提情報をまとめていきます。
最初に知っておいて欲しい事
パフォーマンスはタイミングにより上下するもの
例えば長期休暇をとって復帰した日に溜まっているメールって全件チェックしますか?お客さんからのメールは勿論確認すると思いますが、仮に普段見ているメルマガであっても見ないで消してしまう事も多いのではないでしょうか?このようにメールに何も問題が無くても受信者の状況によっても開かれないことがあります。そして一人一人状況は異なります。その為、たまたま悪かったというケースも発生します。
原因を特定するのは難しい
自社側の設定が原因で発生している問題の場合は原因を特定する事が可能です。しかしメールのパフォーマンスは受信者側に依存したものが大半となります。更に原因は一つではなく複数の原因が複合している場合も多いです。その為、原因が特定出来る事の方が少なく、自ずと推測ベースで改善の施策を行っていく事が多くなります。
開封率は精度高く取るのが難しい
例えばこちらのHubSpotの記事に記載されているiOSの影響、メーラーの設定で画像の読み込みをOFFにしているケース、その他セキュリティツールによる影響などなど、開封率は非常に取り辛い値となっています。同じリストに対し配信を行う場合、傾向値としてみて頂く指標としてはご利用頂けますが、クリック率や申込まで至った数など、別の指標と合わせて運用することをおススメします。
配信メールのパフォーマンスの種類
配信メールに限定したパフォーマンスといっても下記の様に色々あります。その数値により対策の取り方が変わってきます。
- 配信率:メールがサーバで弾かれず宛先に届いた数
- バウンス率:メールがサーバで弾かれて宛先に届かなかった数(配信率の逆)
- 開封率:配信数に対し開封された数
- クリック率:配信数に対しクリックされた数
- 配信停止:配信数に対し配信停止になった数
配信メールベストプラクティス
参考記事としてはこちらの記事などが参考になるかと思いますが、私なりに簡潔にまとめると下記の様になります。
- 同意を得た連絡先のみに配信する
- 反応が無い連絡先には配信を抑制する
- 否定的なエンゲージメント(ハードバウンス、登録解除、スパム報告)を低く抑える
- 一貫性のある配信を行う(上記のほか、送信数の急激な上昇など)
当たり前の内容となりますが、求められる人に求められるコンテンツを届けましょうという内容ですね。以前はなるべく登録解除をされたくないというお声も多く頂いていましたが、特に今年に入って「迷惑メールになるくらいなら登録解除してもらうほうが良い」という理解が広がっているように感じます。
想定される主な要因
冒頭でも記載しましたがメール配信のパフォーマンスが悪化する要因は必ずしも一つではなく複数の要因が混ざり合っている場合が多いです。またパッと見関係が無さそうな要因も間接的に影響する場合もあります。(風が吹けば桶屋が儲かる的な例:送信コンテンツが受信者の期待と異なっていた→迷惑メールにマークされる数が増える→ドメインの評価が下がる→配信率が悪くなる)
ただしこの記事で分かりやすくお伝えしたいと思うので、間接的に出てくる影響などについては触れず、直接影響のある部分を中心にシンプルにご説明していきます。
認証関連の設定:配信率
最近とても話題になったDKIM、SPF、DMARCといった設定回りです。このあたりの詳細は説明しているページが多いので、詳しく知りたい方は検索してみてください。HubSpotでの設定については下記をご覧ください。
レピュテーション:配信率
レピュテーション(評判/評価)と一言でいっても一つではなく「ドメインとIP」2つの組み合わせになります。HubSpotを利用している場合、専用IPオプションを購入していなければHubSpotの共用IPを使用します。自社でコントロールできるのはドメインだけなので、まずはドメインの評価を意識しましょう。ドメインのレピュテーションを計測してみたい場合は、様々なサービスがあるので検索して探してみてください。
ちなみに共用IPですが、HubSpotではパフォーマンスが規定値を下回ると自動的に配信が停止される仕組みとなっている為、共用IPの評価が著しく悪くなっている事はあまり無いと思います。もし大量の配信を予定している場合など、IPで自社のコントロールしたい場合は専用IPオプションを検討しましょう。
送信IPの変更:配信率
一般的にメールサービスプロバイダーは一貫性を好むため、配信サービスを切り替えるなど、新しいIPグループから送信を開始すると、この変更が意図的なものか監視されます。この期間を移行期間と呼び、一時的にメールがスパム フィルターに引っかかりやすくなる可能性があります。
送信者がベスト プラクティスに従っている場合、開封率は安定していくのですが、送信者がベスト プラクティスを破った場合 (バウンス、登録解除、スパム報告率が高いなど)、メールがスパムに分類される確率が高くなり、移行期間が長引く可能性があります。そのため、新しい 配信サービスに移行した後の最初の数か月は、できるだけベスト プラクティスに従うことが重要です。
配信先リスト:全て
配信先リストといっても色々あるのですが、特に主要のポイントを上げてみます。下記の内容に加えセグメント分けを行い、条件がさらに適した配信先に限定するなどを行う事でよりパフォーマンスの改善が期待できます。
- 承諾をどのように取ったか(≒受信者は本当に望んでいるか)
法律にも絡むため個人的にはあまり明言をし辛いポイントとなりますが、前提として承諾を得ていない人へのメール配信は法律上禁止されています。しかし仮に承諾を得ていたとしても承諾したことを認識していない or 承諾したつもりが無いとパフォーマンスは悪くなる可能性が高いです(例:イベントでノベルティが欲しいだけの人)。法律部分について詳しく知りたい方はコチラの記事や外部の記事も豊富なので検索してみてください。 - いつ獲得したのか?
許諾を得ていたとしてもあまりに古いリストの場合、受信者の気持ちや興味が変わってしまっていたり、そもそも転職等を行い今はそのポジションにいない可能性もあります。定期的なメール配信を行い、お客さんのリアクションを確認し続ける事が鮮度の維持に繋がります。逆に言うと長期間使っていなかったリストに対して配信をするときは注意が必要です。 - リストに含まれる人はどんな人か?
B2B向けのサービスの場合、会社や受信者の所属や役職などにより興味のあるコンテンツや表現(メッセージの出し方や用語を使うか等)は変わってきます。詳細は次の「送信コンテンツ」にて。
送信コンテンツ:開封率、クリック率、配信停止率
前項の続きとなりますが、受信者が求めているコンテンツであるかという点です。主に開封率は件名と差出人名、クリック率は件名から予測した内容と相違が無いかであったり、ファーストビューにCTA(リンクやボタン)が分かりやすく置かれているか等が影響してきます。この内容は今回のお題とは趣旨が変わってしまうのでこれくらいにしておきます。検索していただければより詳細なコンテンツが色々出てくると思います。
送信タイミング:開封率、クリック率
こちらも同様に「リストに含まれる人はどんな人か?」と関連して受信者によりかなり変わってくるポイントです。例えば受信者がオフィスに出社する会社員の場合は電車で通勤しているケースが多いので通勤移動時間を狙った配信も効果的です。しかし工場勤務の場合は自動車通勤の割合が増え、その時間は中々開封率が合がある事は減るでしょう。また忙しい時間にメールを開いた場合は興味があったとしてもまた後でリンクを見ようと思ってそのまま忘れてしまうという事もあるでしょう。
受信者の性質により大きく変わるため、一概にこの時間がおススメとご案内する事は難しいポイントです。このページにあるようなレポートを作成し、自社の配信結果を分析してみる事をおススメします。
送信頻度:配信停止率
配信頻度が多すぎると配信停止されてしまう可能性が高くなってしまいますが、配信数を減らすと期待している効果が薄くなるのでバランスの調整が重要です。送信をこれから始める場合は最初は少なめの量から初めて徐々に増やしていく事をおススメします。
また、見落としがちなのがステップメールが同時に走ってしまうケースです。例えばメルマガは週2回だから大丈夫と思っていても、実はステップメールと合わせると凄い数のメールが飛んでいるというケースもあります。受信者にとっては何のメールかに関わらず、同じ会社から沢山メールが届いていると感じる可能性が高いので気を付けましょう。
前提情報のまとめ
前提情報だけでお腹いっぱいになるくらいの情報量ですが、次回の記事では上記を踏まえ、HubSpot上ではどのように確認をしていくべきかをご紹介予定です。次回もご期待ください。
※私なりに再度調べて記載しておりますが、もし記載内容について間違ってるというご意見があればコメント下さい!
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