気ままにInbound研究会

インサイドセールスを管理する新オブジェクト「リード」~概要編~

作成者: 熱海のジョー|2024/03/31 12:00:00

当記事で紹介をしていく新オブジェクト「リード」はインサイドセールス(以降ISと表記)の業務を管理する新しい機能となります。2023年10月に初めて発表された段階ではかなり粗削りな部分もありましたが、2024年に入ってアップデートが加わった事で、現在はかなり実用的なレベルになっています。今回の記事ではまず「リード」とはどういうものなのか、概要的な部分にスポットライトを当ててお伝えしていきます。実際の操作イメージはコチラの記事で紹介しています。

背景:これまでの一般的な管理方法

1)HubSpot推奨のデータ管理方法

HubSpotが標準で推奨する運用法がこちらです。商談化した段階で取引を作成するという運用法です。

  • 商談化前はコンタクト、商談化後は取引で管理
  • ISのフォロー情報はコンタクト内のプロパティで管理をしていく
  • 複数回フォローするとデータを上書きするため過去の履歴が残らない

 

2)ISフォロー段階から取引を使う方法

ISのフォロー結果を残したい場合、もっと早い段階で取引を作成する運用を行っている会社も多いです。例えばフォーム投稿があると取引をワークフローで作成してしまうといったイメージです。ご利用のプランにより、ISフォロー時はチケットやカスタムオブジェクトを使う運用をされているケースもあります。

  • ISフォローごとに取引を作成
  • 別レコードに分かれる為、過去の履歴を残すことが出来る
  • ISがフォローする取引と営業が提案時に使用する取引を分けるか、使いまわすかは会社による
  • IS/営業のKPIをトラッキングする場合は仕組みをしっかり考えて作っておかないといけない

 

新オブジェクト「リード」が登場

「リード」はISがフォローする対象を管理するために用意された専用のオブジェクトです。コンタクトの中でISがフォローすべき対象と判断された人に対してリードを生成して管理します。

  • ISフォローごとにリードを作成
  • コンタクトとも取引とも異なるオブジェクトとしてレコードを生成
  • データがきれいに分かれる為、データの分析が容易(詳細は後述)
  • 専用機能として用意されている為、リードが見込みアリと判定された場合、そのまま取引の作成が出来るなど、便利な機能が用意されている

※Salesforce利用者への注意:HubSpotのリードとSalesforceのリードは概念が異なります。HubSpotでは人の情報は常にコンタクトの中で管理されます。リードと取引先責任者のように分かれません。取引の前に使っていただくIS用取引とイメージをしてもらうと分かりやすいかもしれません。

リードになるとどのように分析がしやすくなるのか?

下記はThe ModelにHubSpotのオブジェクトをマッピングした図となります。

ISに関する数字は下記の様に算出する事が可能です。

見込顧客数

  • 定義:マーケティング部門がISにトスアップした件数
  • 計測方法:リードの作成数

コンタクトで全て管理する場合、通常の分析の仕方では何回ではなく何人で算出がされます。例えばある人が資料ダウンロードを行い、ISがフォローしたがその時は商談化しませんでした。そして次にウェビナーに申し込みがあり、二回目にISがフォローした結果商談化した場合、コンタクトベースでの分析だと商談化率100%となってしまいます。

リードは何人ではなく、何回(件)トスアップされたかを表すのでより実態に近い計測が可能です。

 

商談数

  • 定義:ISから営業にトスアップした商談数
  • 計測方法:「見込みあり」と判定されたリードの件数

ISが関与しない取引も実際にあると思いますが、今回はインサイドセールスが寄与して商談化した件数を指しています。具体的な操作画面は次回以降に紹介をしていく予定ですが、リードがクローズするステータスは「見込みあり」と「見込みなし」の二つです。デフォルトの設定では「見込みあり」にすると自動的に取引作成画面が開かれるようになっています。

 

商談化率

  • 定義:マーケからのトスアップ件数に対する、営業へのトスアップ商談数
  • 計測方法:作成されたリードのうち「見込みあり」と判定された割合

 

「リード」を使う上での制限

  • Sales Hub Professional以上が必要
  • リード情報を編集するIS担当者にはSalesシートの付与が必要
  • 2024年3月末時点ではカスタムプロパティがまだ使えない
    4/10のアップデートでカスタムプロパティ対応済み!(5/12追記)
  • 相変わらずのネーミングセンス。。。
    ライフサイクルステージの値と混同して分かり辛い

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

リードを加えると少し悩ましかったインサイドセールスのデータ管理がスムーズに流れるようになる事がイメージ頂けたかと思います。とは言え、実際の画面が気になりますよね?実画面は下記の記事で紹介しているので合わせてご確認下さい。

関連記事:インサイドセールスを管理する新オブジェクト「リード」~操作編~