マーケティングオートメーションの導入目的の中でも上位に入る人気機能ですが、実はリードスコアリングを運用できていない会社が多いんです。一度は試したものの活用にのせられなかったり、そもそも難しそうだから手を付けていないというお客様も多いように感じています。
HubSpotのリードスコアリングは最近リニューアルされ今まで以上にとても使いやすくなりました。(詳しくはコチラ:新スコアリングはどう違うのか?新旧機能の比較まとめ)是非、もっと多くの人に使ってもらいと思っています。
ということで、今回はなぜスコアリングを難しいと思ってしまうのか、もっと気楽にはじめるにはどうしたらよいのかという目線で紹介したいと思います。
リードスコアリングとは、見込み客(リード)購買意欲を点数化する手法の事です。
マーケティング活動で獲得できるリード数に対し、全てのリードをフォローするリソースが足りない事も良くあります。そんな時、なるべく受注の可能性が高そうなホットなリードからアプローチできるよう、購買意欲の高いリードと低いリードの可視化する事が可能です。より効率的な営業活動を行うためにとても有効な手法です。
HubSpot利用ユーザの場合、Marketing Hub Professional以上をご契約されている場合に利用可能な「リードスコアリング」という機能が用意されています。
具体的なイメージがつかめていないとこの先の説明が分かり辛くなると思ったので先にご紹介します。
HubSpotでは大きく分けるとリードの行動と属性の2種類の要素を対象にスコアリングを行います。
エンゲージメントスコア(行動) | 適合スコア(属性) |
|
|
上記のようにリードが何をしたか、どんな属性の人/会社なのかで点数をつけていくのがリードスコアリングです。
私は主に2つの理由があると考えています。
これははじめてスコアリングをはじめる誰もがぶつかる壁です。過去にスコアリングを試して上手くいかなかった人は下記の様な感じだったのではないでしょうか?
しかし!私は「適当につけてみよう→点数出てきたヤッター」から始まるのは何も問題ない事だと思います。
大事な事は精度が低いスコアリングでも無いよりあったほうが良い運用を考えるべきだと思っています。
そういう運用ができなくしている本当の原因が次の項目です。
リードスコアリングをはじめたらすぐに上記のような結果がでて、
「効率的な営業活動を実現!」なんて考えてる方が多いんじゃないでしょうか?
前の項目でも説明をした通り、精度の高いスコアリングを行うのは難しいです。試行錯誤を繰り返すことで少しずつ精度を上げていくような機能です。
また、仮に今完璧なスコアリングを作れたとしても、市場は常に変化しているので「完璧なスコアリング」も日々変わります。
私の個人的な意見は「精度が低いスコアリングでも無いよりあったほうが良い運用」になるように向き合うべきだと思います。その為にはいくつかポイントがあると考えています。
何点だからどうとか難しい事を考えず、「高い方が良さそうと判断する、それ以上の期待を持たない」ではじめるのが一番大事です。例えば2人のリードがいて、片方のスコアが10点、もう片方が20点なら20点の人の方が良さそう、それだけです。下記の様な点は後からゆっくり考えていきましょう。
HubSpotは標準でいろいろな値を取得してくれます。まずは標準で取れている要素の中ではじめましょう。標準でとれている要素だけでも結構出来る事が多いです。今取れていない物は取れるようになったら後から足しましょう。
特に取りやすいおすすめの値は下記の通りです。
今HubSpotで利用している機能 | 取りやすい要素 |
Webサイトにトラッキングコードを埋めている | 訪問されたページ(ページビュー) |
マーケティングメールで配信を行っている | メール開封、リンクのクリック |
HubSpotフォームを利用している | フォーム送信 |
そんな精度が低いスコアリングで良いのか?と思う人も多いかと思いますが、ライフサイクルステージと組み合わせて使いましょう。
クイック解説:ライフサイクルステージとは? コンタクト/会社が今どのフェーズにいるのかを表すHubSpotデフォルトのプロパティです。リードが今どの購買ステージにいるかを分けて管理する事が可能です。下記の様にリードの行動に応じてステージ分けを行います。 <例> ライフサイクルステージについて詳しく知りたい方は「ライフサイクルステージの始め方」も読んでみてください。 |
ライフサイクルステージとスコアリングを組み合わせる事でと下記の様なイメージとなります。
リード | MQL | SQL |
Aさん 20 Bさん 18 Cさん 11 Dさん 2 Eさん 1 |
Fさん 32 Gさん 27 Hさん 14 Iさん 13 Jさん 12 |
Kさん 35 Lさん 32 Mさん 30 Nさん 29 Oさん 27 |
リードのフォローを行う際はライフサイクルステージを優先します。上記例の場合はSQLからフォローを始めていきますが、SQLの中でもスコアの高いところから順にアプローチをはじめます。
「理想的なスコアリング」という精神的なハードルを取り除いてもらえれば、スコアリングは難しい機能ではありません。Marketing Hub Professional以上を導入していて、且つ何らかのマーケティング活動をしている方でしたら何らかの役には立つと思います。
ただ今回は普段の記事から逸脱してかなり精神論に寄ってしまったと感じています。次回は反省を込めて、もう少し役に立つような具体的な手順をまとめたいと思います。