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【新機能】ジャーニーオートメーションとは? | HubSpotファンサイト | 気ままにINBOUND研究所

作成者: 熱海のジョー|2025/04/19 14:32:45

今回はSpring Spotlight2025で発表されたMarketing Hub Enterpriseの新機能「ジャーニーオートメーション」をピックアップしてご紹介します。

本格的な紹介に移る前に注意点のご案内です。
この機能はまだ出たばかりということもあり、まだまだ未完成だと感じています。正直今はまだこの機能を利用することで効果が上がる方は少ないでしょう。

だがしかし!HubSpotはリリース後にドンドン機能追加をしていくので気が付くとガラッと印象が変わっているなんてことも日常茶飯事です。将来性に注目して読んで頂けたらと思います。

ジャーニーオートメーションとは?

アメリカのイベント告知ページでは下記のように説明されていました。

Journey Automationは、マーケター向けに特別に開発された新しい自動化ツールです。新規コンタクトからリード、そしてエバンジェリストに至るまで、顧客のためのエンドツーエンドのマーケティングエクスペリエンスを、すべて同じビュー内で計画、構築、最適化できます。

マーケターはジャーニー全体の成果を指定し、行動に重点を置いたステージを簡単に設定することで、コンタクトをジャーニーに沿って導き、その成果達成を目指します。コンタクトは、成果が得られなかった場合は途中で離脱する可能性があり、エンゲージメントが高まればジャーニーをより早く通過できる可能性があります。オムニチャネルマーケティングのメッセージング機能、幅広い行動イベント、そして強力なレポート機能をすべて1か所に集約したJourneysは、適切なメッセージを適切な顧客に、適切なタイミングで届けることを容易にします。

参考URL:Journey Automation on Feb 11, 2025

あとで考察の部分にも書いていますが重要なポイントはジャーニーに沿ってコンタクトを導く新しい自動化ツールという点です。

 

既存機能との違い

実際に私が少し触ってみた(遊んでみた)範囲で気付いた点をご紹介します。

①階層がある

ワークフローは1つの階層に分岐や処理を追加しています。複雑な自動化になってくるととても大きな構造になっていきます。それに対し、ジャーニーオートメーションは階層という概念が登場します。長いジャーニーをカバーするような大きな自動化の処理も作りやすくなりました

②ジャーニーステージ(カスタムプロパティで複数作成可)

各コンタクトがジャーニー内のどのフェーズにいるのかをプロパティで管理します。標準では1つジャーニーステージが用意されていますがカスタムで作成したプロパティも利用可能です。シナリオが長くなるので通常のワークフローとは違いステージ分けが必要になってくるので必要な機能ですね。

③アクションはマーケ寄りのものに限定

今後追加されてくるんじゃないかと思いますが、各ステージ内で設定できるアクションはかなり限定的です。

<利用可能なアクション>

  • アセットを送信(Eメール等)
  • タスクを作成
  • プロパティを設定
  • 通知を送信
  • 待機(遅延)

同様に分岐で使える条件も結構限定的です。

<分岐に利用可能な条件>

  • 広告:インタラクション
  • コール:コールの成果やタイプなど
  • カスタムイベント
  • マーケティングEメール:開封、クリック、返信
  • フォーム:送信
  • メディア:動画再生等
  • ウェブサイト:ページ訪問 or CTA

恐らくリードオブジェクト関連や他のワークフローとの連動等の機能は今後増えてくるんじゃないかと思いますが、取引作成後も並行して運用するようなイメージは無いのかなと感じました。

レポート系の機能

パフォーマンスタブやレポートタブでこのジャーニーに登録された人がどれくらい居たのかや各ステージをどう遷移したのかといった内容が簡単に見られるようになっています。

 

個人的な考察/感想

新しい自動化よりステージ管理と捉える方がしっくりくるかも

ジャーニーオートメーションはワークフローに変わる新しい自動化なのは間違いないのですが、大きく新しいステージ管理を実現するための機能と捉える方がしっくりくるように私は思います

元々HubSpotはライフサイクルステージで全体を管理する使い方を推奨してきましたが、1つしかありませんでした。そため、複数事業/ブランドを扱う場合、運用に悩まれていた方が多かったと思います。

また、商材が1つだけのケースでも、顧客が購入するまでのジャーニーが複数パターン存在することも多いと思いますが、あまり細かく分けると管理が難しくなるのでライフサイクルステージでは細かいフェーズに分けない運用も多かったと思います。

 

Marketing HubがSales Hubに近づいた

今日の説明だけだとまだ腹落ちしないという方も多いと思います。よくよく考えるとSales Hubではできていたことだなと思いましたのでSales Hubに例えながらご説明してみます。

これまでのHubSpotでは下図のようにマーケティング領域から始まる全体はライフサイクルステージで管理し、商談フェーズに入るとより詳細な情報は取引で管理される運用が一般的でした。

取引のステージ設計はパイプラインごとに設計することができるので、これまでも複数事業/商材の管理も自由に設計する際に困る事はありませんでした。

このパイプラインの位置づけになるのが「ジャーニーステージ」になります。

そして取引にはステージに合わせた自動化の機能として下図のパイプラインの自動化機能が存在しますがこの位置づけになるのが「ジャーニーオートメーション」です。

MarketingとSalesの一番の違いはどちらが重要視されているかという点です。

取引を管理する営業(FS)フェーズでは、営業担当が存在するため、基本的に顧客とは1対1のやり取りがメインになります。その段階では自動化はタスク作成やリマインド通知など補助的に使われる程度で、重要視されるのは案件の管理やフォーキャストの方が重要度が高いと言えます。

対してマーケティングフェーズでは、基本1対多のコミュニケーションが多くなるため、マニュアルでステージ管理をするといった事はあまり現実的ではありません。効果的なマーケティング活動を実現するため一層自動化に重きがおかれます

こうした違いから、位置づけ的には似ていますが、機能開発時に注力された箇所が異なるのではないかと思います。図にしてみると下記の様なイメージです。このイメージを持っていただけるとジャーニーオートメーションがグッと腹落ちしやすくなるのではないかと思います。

 

カスタマージャーニーをHubSpotに落とし込みやすく

カスタマージャーニーをHubSpotの運用を落とし込む際の障害を解消することがジャーニーオートメーションのリリース目的だったのかなと思います。

今後はシナリオごとにカスタムプロパティでジャーニーステージを作成し、ジャーニーオートメーションを活用していくという運用がMarketing Hub領域の鉄板になっていくのではないでしょうか。

※上記は私の個人的な解釈となりメーカーの正式アナウンスではありません。今後の発表によっては一部誤った解釈が混ざる可能性がありますのでご注意ください。

 

まとめ

正直、今日時点ではワークフローを使っている方ができることが多くが幸せになれると思いますが、今後の機能追加を期待して待っていたいと思います。

また、Marketing Hub Enterpriseユーザの中には新機能使ってみたい!という方もいらっしゃると思います。テップメールを多段階で組みたい」という時には十分使える機能だと思いますので良ければ試してみてください。

最後になりますが、今回の記事を書いている段階では私もジャーニーオートメーションテスト的に数回組んでみただけなのでまだまだ十分には触れていません。もし実際に試して感じたことがありましたらご意見頂けると大変嬉しいです。