- Home
- フォーム投稿数をベースとしたカスタムレポートを作成する
フォーム投稿数をベースとしたカスタムレポートを作成する
フォーム投稿数をベースとしたカスタムレポートを作成したいという方が非常に多いのですが、実はこれは実現するのが非常に難しいです。2024年2月現在、カスタムレポートのデータソースには「フォーム」がありません。
一番簡単な方法はフォームの中の分析タブではフォーム投稿数をベースにした情報が表示可能です。しかし、カスタムレポートで他のデータソースの様に自由に作成したい!という方もいるのではないでしょうか?
そんな方はコンタクトベースのワークフローでフォーム投稿があるごとに別のオブジェクトにレコードを作成していく方法を用いるとかなり要望を満たすことが出来ます。パッと聞くとかなりマニアックな方法に見えると思いますが、特にMarketing Hub Enterpriseを利用している方は今必要なくても設定をしておくと将来的に役に立つと思うのでかなりおススメです。
手順1:レコード作成を行うオブジェクトを決定する
コンタクト以外のオブジェクトを使用するのですが、おすすめの順番は下記の通りです。
- カスタムオブジェクト:いずれかのEnterpriseプランをお持ちの方
- チケットオブジェクト:Enterpriseプランは持っていないがService Hub Professionalをお持ちの方
- 取引オブジェクト:いずれかのProfessionalプランをお持ちの方
- スプレッドシートに書き出す
作成していくデータを完全にデータを分けられるカスタムオブジェクトで行っていただくのがベストです。標準オブジェクトで行う場合は他の邪魔にはなりにくいのでチケットオブジェクトが良いです。
とはいえ、ご利用中のプランによっては上記いずれも利用が出来ない場合があると思います。その場合は取引オブジェクトでも利用可能です。但し、取引オブジェクトは売り上げ分析などを行う時に邪魔になることが多いので個人的にあまりおススメはしませんが、少し試してみたい場合などは問題なく組んで頂く事が可能です。
今回の記事では深掘りしませんが、レコードを作成するのではなく、スプレッドシートに記録を残す方法もあります。その場合、勿論HubSpotのレポート機能を利用することはできませんが、スプレッドシート上でグラフ化する事が出来ますし、ダッシュボードにスプレッドシートを埋める事も出来るので場合によっては使える方法です。
手順2:そのオブジェクトに必要なプロパティを作成する
手順1で利用するオブジェクトが決まったら、そこに必要なプロパティを作成していきます。フォーム投稿に関する情報は基本コンタクトの中の情報を引っ張ってきます。どのプロパティを対象にしたら良いか迷われる方はとりあえず下記のプロパティをコピーする先を作成しましょう。(同じ名前のプロパティを作成するのでOKです)
- 最近のコンバージョン日:コンタクトがフォームを最後に送信した日
- 最近のコンバージョン:コンタクトが送信した最後のフォーム名
- 最新ソース:コンタクトの最後のセッションのソース
- 最新ソースドリルダウン1:最新ソースの補足情報
- 最新ソースドリルダウン2:最新ソースの補足情報
- 姓/名/会社名:コンタクトの基本的な情報
- ライフサイクルステージ:コンタクトが今どのフェーズにいるか
上記はどなたでも取っておくと便利な情報を選んでいますが、他にレポートを作成する際にあったほうが良い情報があればそれも合わせて一緒にコピーしておきましょう。
手順3:ワークフローを作成する
ワークフローは比較的シンプルです。
- タイプ:コンタクト(空白のワークフロー)
- トリガー
- フィルター条件への適合時>コンタクトプロパティー>最新のコンバージョン日
- 値がある
- 再登録ON
- アクション
- CRM>レコードを作成
- 作成するレコードのタイプ:手順1で決めたレコードタイプ
- さらにプロパティーを追加:手順2で作成したプロパティの値をコピーするように設定
設定後の挙動
実際にどのような挙動となるのか、具体例をベースに見ていきましょう。下記は「フォーム投稿」というカスタムオブジェクトを作成して運用しているイメージです。
1)田中太郎さんが初めてフォーム投稿
プロパティ名 | コンタクト | フォーム投稿1 |
姓 | 田中 | 田中 |
名 | 太郎 | 太郎 |
最近のコンバージョン日 | 2024/1/1 | 2024/1/1 |
最近のコンバージョン | 資料Aダウンロード | 資料Aダウンロード |
最新ソース | 検索連動型広告 | 検索連動型広告 |
最新ソースドリルダウン1 | Aキャンペーン | Aキャンペーン |
最新ソースドリルダウン2 | A 資料 | A 資料 |
一回目のフォーム投稿が行われて初めてコンタクトが作成された段階です。フォーム投稿オブジェクトにもレコードが作成されコンタクトと全く同じ情報が記載されています。
2)田中太郎さんが二回目のフォーム投稿
プロパティ名 | コンタクト | フォーム投稿1 | フォーム投稿2 |
姓 | 田中 | 田中 | 田中 |
名 | 太郎 | 太郎 | 太郎 |
最近のコンバージョン日 | 2024/1/2 | 2024/1/1 | 2024/1/2 |
最近のコンバージョン | お問い合わせ | 資料Aダウンロード | お問い合わせ |
最新ソース | オーガニック検索 | 検索連動型広告 | オーガニック検索 |
最新ソースドリルダウン1 | 不明なキーワード | Aキャンペーン | 不明なキーワード |
最新ソースドリルダウン2 | A 資料 |
二回目の投稿が行われるとコンタクトの情報が更新されるとともに、更に新しくフォーム投稿レコードが作成されます。この時フォーム投稿1には変化は当然なく、一回目の投稿時の記録がきれいに残っています。
メリットや良い所
- 上書きされていくデータをセットで記録する事が可能
- それぞれ別レコードとして保存されるため、レポートで分析が容易
- 作成されたデータは自動的にコンタクトに紐づけられる
注意点
ワークフローの動作ラグ
通常はそれほど時間がかかるわけでは無いのですが、一人の方がワークフローの動作よりも早く複数回フォーム投稿を連続して行うと処理がされないケースがあります。この点については回避する方法は無いため、それほど多く発生はしないと思いますが、フォーム投稿数と合わない時にはこれが理由になる可能性がありますので認識をしておいて頂くと良いと思います。
設定後のアクションでないと分析出来ない
設定時に残されている最新の情報はレコード化する事も出来なくはないのですが、最新ソースなどは書き換わってしまっている可能性があります。正確なデータとして取れるのはあくまでも設定後のデータとなってしまいます。
まとめ
設定が少しめんどくさいかもしれませんが、設定後のデータしか記録がされませんので今すぐ利用予定が無い場合もMarketing Hub Professional以上を利用中の方には是非設定をお勧めしたい運用です。
なるべく分かりやすく書いたつもりですが、分かり辛い場合はお気軽にコメント下さい。
Leave a Reply